神奈川県川崎市東部及び中部から横浜市北東部にかけての、多摩川と鶴見川にはさまれた地域周辺に点在する34の寺院、庵、御堂などからなる霊場です。各々は札所と呼ばれ、宗派や安置する観音様はさまざまです。観音様の御加護、ご利益を願って多くの巡礼の方々が霊場を訪れています。
日本の三大観音霊場として、西国三十三札所観音霊場、坂東三十三札所観音霊場、秩父三十四札所観音霊場があり、併せて満願の百札所を形づくっています。史述からは、霊場としてのまとまりができたのが、西国霊場は1161年創始、坂東霊場は西国霊場以降、秩父霊場以前に創始、秩父霊場は1234年創始、といわれています。初めは僧侶による巡礼行でしたが、後代には庶民の間に観音信仰が広まり、霊場巡りが盛んにおこなわれるようになりました。特に、江戸時代には、三大霊場にならって、それぞれの地方に独自の観音霊場が成立しました。
当准秩父観音霊場もその一つで、1番札所眞福寺に残っている記録によると、1810年には既に始まっていたようです。